私たちの物語
「やっと思い出した?

ま、存在感ないのは自覚あるから、良いけど。

別にっ」


「自覚あるならいいじゃん。

よかった、よかった。」


私がそう言うと、田中はガックリとうなだれた。


「サクちゃん……

もっとオブラートに包まないと、さっき忘れてたのもあるし

ちょっと可哀想になってくるよ……?」


優しい透華は、フォローしているつもりなんだろう。


「おい、市村。それも十分ひでぇよ。

つか、『オブラートに包まないと』って、市村もその意見に納得してんじゃねーかっ」


あ、自分で突っ込んだ。

そーよね。

透華は普通の人とはちょっと外れてるから……ね?
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