私たちの物語

マルチーズ

「あ、電池ない。」

ゲームを始めて2時間後。

ついに限界がきた。リモコンの。


「うわー、もう代えがねぇーよ。

買いにいくか。」


あの人が言う。

チリがグーっと伸びをしながら言う。


「そろそろいい感じの時間だし」


ドクンッ

このままお開き?

いやだ、まだ一緒にいたい!


「全員で散歩にでもいくか。」


「え?」


散歩?


「それより、電池組とお菓子組に別れた方がいいと思うよ?

ちなみに、透華とサクちゃんはこの辺詳しくありませんので。」


「そっか。

じゃあ、じゃんけんで、勝った人と負けた人同士?」


「私、チリとは死んでも嫌だからっ!」


自分の意見を主張しておく。

かといって、あの人と一緒は気まずい。


「わ、私、なんとなく分かるし、透華と一緒にお菓子組になるよ。」


「いや、もし迷ったらダメだし、俺といくか。」




嬉しいよ?!

嬉しいけども!


「じゃあ、お菓子組行ってきまーす!

サクちゃんあとでね!」


「欲しいものないかー?」


「しっとりチョコ!!!」


やっぱり、自分の意見を主張しておかないとね。
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