私たちの物語
「俺は、小野寺拓巳。」


「わ、私は秋野桜。」


「知ってる。(苦笑)」


わわっ!

カッコいい!


「何て呼べばいい?

悠塵は、サクって呼んでたし。」


「なんでもいいよ。

サクでも、桜でも。」


「じゃあ、桜。」


ドクンッ

名前を呼ばれただけでドキドキするなんて、今日心臓はもつかな……

不安になってきた。


「私はなんて呼べばいい?」


「なんでもいいよ。

拓巳でも、タクでも。」


「じゃあ、タク……?」


なんかしっくりくる。

あれ?

タクが右腕で、顔を隠している。


「タク?

大丈夫?」


急にどうしたんだろう。


「や、大丈夫だから。

行こう、桜。」


「うん!」
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