君とキスをした。
私からのほめことば
聞かれても、全く思い浮かばない。
私が首を横に小さく振ると、綾瀬君は少し笑って
「そうだよな、ま、しらなくていいか。でもな、俺実は川崎といる島田が羨ましかったんだ。」
え?羨ましい?私といる彼が?
「なんで?」
私は少し驚いて下を向いていた顔を綾瀬くんに向ける。
「なんでもだよ」
下を見ている綾瀬君を少しのぞき込むと、なんか綾瀬君がネガティブになっているように見えて、私正面を見て、思いつく綾瀬くんのいい所を言った。
「私は、いつもクラスで人気な綾瀬君が羨ましいよ、誰にでも優しいし、かっこいいしっ、ほら、笑った顔とかすごくかっこいいんだよ。あと女子にも人気だし。私が綾瀬君だったら…」
ふと綾瀬君の方を見ると、綾瀬君は驚いたような顔をして私をじっと見ている。
「俺の事、かっこいいって言った?」
そう聞いてくるから、私は
「うん」
と応えた。
すると綾瀬君が少しだけ顔を赤くした。
ふと横を見ると、もう私の家の目の前に着いていた。
「あっ、ごめんね!ここまで送ってもらっちゃって」
家の前まで来てくれて、少し申し訳なくなった。
「ううん、気にしないで」
綾瀬君は優しく微笑んで言う。
やっぱり、自然と私も笑顔になった。