君とキスをした。
そっけないおわり
放課後
教室に入ると、教室には彼だけがいた。
彼を見つけた時、さっき感じていた不安がまた戻ってきた。
彼は私に気がつく。彼はやっぱりさっきのようにどこか暗い顔をしている。
「来てくれ」
「…うん」
彼に笑顔はない。私の顔も少しこわばっている。
早足で彼に近づき、目の前まで来た時、
彼は少しうつむいて、
「別れよう」
たったその一言を、
つぶやくように言った。
やっぱ、こんなことだと思っていた。
予想はしていたけど、いざとなると頭が真っ白になった。
どうして?
そう理由を聞きたかったけど、しつこくすると嫌われるんじゃないかって思って、口が動かなくなった。
「あ…」
『わかった』って言ってあげたくて、でもそれより先に目がどんどん熱くなっていった。
何かがこみ上げてくるような。
私は震える声を必死におさえて、その一言を言った。
「……わかっ…た」
私の声はひどく弱々しかった。