生神さまっ!


寒い寒い、初雪の日だった。







「もう大丈夫だよーおばちゃん!

あたし、もう中3だよ?来年から高校生だし!」




「そう…?

でも私、心配よ…」




「だいじょぶだいじょぶー!

ほら、みんなが待ってるから早く行きなー?

たった2週間だし!」




「分かったわ…できるだけお見舞い、来るわね」




そう言ってあたしの病室を出て行った人は、孤児院のおばちゃん。



5歳にたった1人の母を亡くしたあたしは、孤児院に行くことになった。



もちろん、家族がいないのは寂しい。



けど、あたしには血が繋がってない家族がいる。



おばちゃんだって優しいし、孤児院のみんなはあたしの家族みたいなもんだし!




…でも、もちろんおばちゃんも忙しい。



あたしのお見舞いに頻繁に来るのは難しいだろうし…寂しいけど、そんなに来てもらっても…という、色々複雑な感情。




あたしの入院理由は、ただの貧血。



けど、常人よりかなりヘモグロビン値?っていうのが低いらしくって。



街でいつ倒れるかも分からない、って。



現に学校でぶっ倒れてしまい、このザマになっちゃったのです。




「…大部屋って言っても、ねえ…」




4人部屋の病室…人見知りしないタイプだから、全然オッケーなんだけど…



あたし以外にいるのは1人だけ。同じような感じで入院してるらしいけど、




「…ずっとカーテン閉まってるんだよ…」




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