生神さまっ!
春樹だから、伝えたかった。



「…衝突事故だったんだぁ…」



ポタポタ涙が落ちて来て、止まらなくなる。




車同士が思いっきりぶつかった、大きな事故だったらしい。



相手側も何かの理由で急いでたんだって。



どっちが悪いかだなんて、知らない。分からない。



相手側の男の人も亡くなってしまった。




「…あたし…ほんとうは、さびしいんだぁ…」



だから、春樹と友達になれて、嬉しかったの。



そう言うと、春樹は優しく優しく笑う。儚げに、まるで綺麗な花のように。



「…春乃が僕の病室のところへ来たのは、

僕の病室から突然女の人が出たからでしょ?」



「…うん」



「実はね、あの人、僕のお母さん」



胸が、どくんと波打つ。




『っ、そんなこと言わないで!』



涙を浮かべた女の人だった。



あの、人が……



「…僕ね、小さい頃に父が亡くなって。

母は1人で、小さい頃から病気だった僕を看病してたんだ。


けど…


母に、新しい旦那が…1年前、出来て。


3ヶ月前、僕の義理の妹が産まれた」



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