生神さまっ!
「佐保…そろそろ始めますから、来てください。

春乃もですよ」



「あら、急かさなくても良いじゃないの…

じゃ、後でね、秋奈。終わったらたっぷりお話ししましょ?」



「は、はい…」




…春の神様って、みんな結構フレンドリーなのかな。

春乃といい、佐保姫様といい…あんな可愛い顔立ちをしているのに、性格はふつーの、いや普通より人懐っこい人たちだよ。



…でも、春ってそんな感じかも。


近くにいるだけで、ぽかぽかするというか…暖かい空気に包まれて、何と無く心地良い感じ。




佐保姫様と春乃が春の玉の前に行ったのに、気付き、私は思わず姿勢を正す。

背筋をピン!っと伸ばして。



「2人とも…準備は良いですね?

私は封印を解きます。解かれた瞬間、あなた達なら分かるはずです。


すぐに玉に触れてください。

力の流れを感じなくなるまで…苦しくても、痛くても…どうか、手を離さないでください」




その言葉だけ聞いちゃえば…玉の封印を解いて、力を取り戻すって予想以上に大変そう。


それに…痛いの!?


力を取り戻すのって痛いの!?



なんか嫌だな…なんて思ってる私とは対照的に。




「分かったわ」
「分かりましたっ!」



2人は、強かった。



< 184 / 686 >

この作品をシェア

pagetop