生神さまっ!
「…外、見てみましょうか」
アマテラス様は、2人にそっと微笑みかけると、立ち上がり、窓へ向かった。
窓の外に広がるのは…相変わらず何の季節ともいえない、曖昧な風景。
完璧に春が取り戻せるのは、
全ての季節の封印を解いた時。
さすがに風景までは、変えられないか…
「…あら、ちゃんと春じゃないですか」
アマテラス様は、本当に嬉しそうに笑うと、窓を開く。
さあぁぁ…っと、優しい風が部屋を通り過ぎてゆく。
それは前感じたような、乾いて、温かくもなくすずしくもない、つまらない風じゃなかった。
穏やかな春風が頬をかすめ、何事もなかったかのようにただそよそよと吹かれている。
「春が…戻ったんだ…
完璧じゃなくても…
春が…」
春乃はいつの間にか起き上がっていて、涙を流してる。
その横で佐保姫様も、笑っている。
「春乃、
あなたが春樹さんと離れてしまった季節が春で、約束が守れなかったのも春。
苦しいことを思い出したくないあなたは、
春を迎えたくなかった」
佐保姫様は春乃に向き合うと、静かに言い始めた。
アマテラス様は、2人にそっと微笑みかけると、立ち上がり、窓へ向かった。
窓の外に広がるのは…相変わらず何の季節ともいえない、曖昧な風景。
完璧に春が取り戻せるのは、
全ての季節の封印を解いた時。
さすがに風景までは、変えられないか…
「…あら、ちゃんと春じゃないですか」
アマテラス様は、本当に嬉しそうに笑うと、窓を開く。
さあぁぁ…っと、優しい風が部屋を通り過ぎてゆく。
それは前感じたような、乾いて、温かくもなくすずしくもない、つまらない風じゃなかった。
穏やかな春風が頬をかすめ、何事もなかったかのようにただそよそよと吹かれている。
「春が…戻ったんだ…
完璧じゃなくても…
春が…」
春乃はいつの間にか起き上がっていて、涙を流してる。
その横で佐保姫様も、笑っている。
「春乃、
あなたが春樹さんと離れてしまった季節が春で、約束が守れなかったのも春。
苦しいことを思い出したくないあなたは、
春を迎えたくなかった」
佐保姫様は春乃に向き合うと、静かに言い始めた。