生神さまっ!
【第二章】朱イ向日葵
暑い夏も、
汗にじむ夏も、
蚊に刺された夏も、
冷たいもの食べて頭が痛くなる夏も、
俺は全部
嫌いだった。
夏と言えば、
花火、お祭り、海。
楽しいイベント真っ盛りに思える夏だけどさ。
ヒトは楽しいことが起きているとき、
なにかしら苦しいものが迫っていることに気付いていない。
ヒトは自分が笑っているとき、
誰かが自分のせいで泣いているのを知らない。
蝶の羽が1回羽ばたくだけで
どこかの国でトルネードが起きるなら。
風が少し吹くだけで
桶屋がもうかるのなら。
夏を楽しんで笑うやつがいるだけで、
どこかで自分が救われるために
手を赤く染めた者がいることぐらいなら。
別に、なんとでもないだろ?
ただ、陽の下で揺らめく陽炎が
俺に幻を見せてから。
たとえ俺が狂ってしまったとしても
その時はまた、陽炎が
俺の本性を周りから隠すために
何度も、何度でも…――――――
汗にじむ夏も、
蚊に刺された夏も、
冷たいもの食べて頭が痛くなる夏も、
俺は全部
嫌いだった。
夏と言えば、
花火、お祭り、海。
楽しいイベント真っ盛りに思える夏だけどさ。
ヒトは楽しいことが起きているとき、
なにかしら苦しいものが迫っていることに気付いていない。
ヒトは自分が笑っているとき、
誰かが自分のせいで泣いているのを知らない。
蝶の羽が1回羽ばたくだけで
どこかの国でトルネードが起きるなら。
風が少し吹くだけで
桶屋がもうかるのなら。
夏を楽しんで笑うやつがいるだけで、
どこかで自分が救われるために
手を赤く染めた者がいることぐらいなら。
別に、なんとでもないだろ?
ただ、陽の下で揺らめく陽炎が
俺に幻を見せてから。
たとえ俺が狂ってしまったとしても
その時はまた、陽炎が
俺の本性を周りから隠すために
何度も、何度でも…――――――