生神さまっ!
二、虹彩ト唇
「…とりあえず今日は、夏樹もいないし。
俺も調べたいことがあるから…一旦、やめよっか。
また夕食で」
「了解。じゃあね」
「ばいばーい」
冬斗がいなくなった春乃の部屋で、私と春乃はほぼ同時にため息をつく。
「…夏樹ってさー、よく考えてみると、あたし…よく分からないかもー…」
「私もそう思う…
なんていうのかな…壁がある感じがするんだよね」
「そう、それ!まさにー!
…けど…この1年間で…あたし結局、夏樹のことなんにも知れてなかったんだなぁ」
しょぼん、という効果音が聞こえそうなほど落ち込む春乃に「そんなことないよ」と言う。
「…夏樹が作っている壁なんて、壊しちゃったらいいよ!
…春乃、そうゆうの得意でしょ?」
「と、得意ってなによー!まるであたしが…なんか、人に馴れ馴れしいとかみたいじゃん!」
「いや、間違いではないよね。すぐ打ち解けるっていうか…馴れ馴れしいっていうか…」
「ひどいー!」
けど…なんだかんだ、春乃を私は羨ましいな、って思うよ。
私、人見知りな方だったし…
…なんていうか、いつも…周りの人に怯えてたかも。
打ち解けたら一瞬なんだけどね。
だから今までの学校生活も、最初の1週間は1人でもあとは全然楽しかった。
「…そういえば、みんな…元気かな…」
高1の時の友達…次々と顔が浮かんでは消える。
私は…転校したってことになってるはず。
…せめてみんなに、バイバイ、とか言いたかったかも。
俺も調べたいことがあるから…一旦、やめよっか。
また夕食で」
「了解。じゃあね」
「ばいばーい」
冬斗がいなくなった春乃の部屋で、私と春乃はほぼ同時にため息をつく。
「…夏樹ってさー、よく考えてみると、あたし…よく分からないかもー…」
「私もそう思う…
なんていうのかな…壁がある感じがするんだよね」
「そう、それ!まさにー!
…けど…この1年間で…あたし結局、夏樹のことなんにも知れてなかったんだなぁ」
しょぼん、という効果音が聞こえそうなほど落ち込む春乃に「そんなことないよ」と言う。
「…夏樹が作っている壁なんて、壊しちゃったらいいよ!
…春乃、そうゆうの得意でしょ?」
「と、得意ってなによー!まるであたしが…なんか、人に馴れ馴れしいとかみたいじゃん!」
「いや、間違いではないよね。すぐ打ち解けるっていうか…馴れ馴れしいっていうか…」
「ひどいー!」
けど…なんだかんだ、春乃を私は羨ましいな、って思うよ。
私、人見知りな方だったし…
…なんていうか、いつも…周りの人に怯えてたかも。
打ち解けたら一瞬なんだけどね。
だから今までの学校生活も、最初の1週間は1人でもあとは全然楽しかった。
「…そういえば、みんな…元気かな…」
高1の時の友達…次々と顔が浮かんでは消える。
私は…転校したってことになってるはず。
…せめてみんなに、バイバイ、とか言いたかったかも。