生神さまっ!
「わ、わっ!!

ごめん!秋奈!

別にあたし、秋奈の胸が見たいとかじゃなくって…!


……って、あれ?」





春乃が私のお腹の辺りを見て、きょとんと固まる。




……やばい。






その3文字が頭の中で駆け巡る。



「だ、大丈夫だから!うん!

じゃあね!!」



「え、あ、秋奈〜!?」




胸元とかが露わになっているのも気にせず、私は着物だけを抑えて春乃の部屋を飛び出した。


そしてすぐに私の部屋に…!!




春乃の隣の隣の部屋にある私の部屋が見えた瞬間…!!



………目の前が真っ暗になった。
ぼすっ!!という音が廊下に小さく響く。



………うぅ。


…鼻が、痛い。


…なにかに、ぶつかりました。





「…いった……」




とりあえず"何か"から離れて、鼻をさする。

壁っていうより、クッション?

でもやっぱりちょっと硬かったような…



「…あれ、秋奈じゃん」



反射的に顔を上げる。

けど、すぐに…その声で分かった。




「夏樹…!!」



「…うん、ちょっと状況が飲み込めないけど、うん」




夏樹に腕を掴まれ、ぐいっと引っ張られる。

そして、真横の夏樹の部屋へ、吸い込まれるように私と夏樹は入った。



…春乃と私の部屋の間が夏樹の部屋なんだった。




私が走ってる時に、ちょうど夏樹が出てきたってことか…うん。




「……なんか、大丈夫?」



「…大丈夫デス」



「お、おう…。

いや、びっくりしたわ。なんかでっかい音がしたから気になって廊下にでたら、秋奈が走ってくるんだもんなー。

廊下は走るなよ?」



「ハイ…いつも夏樹走ってるけど……」




「…俺はいーの!!」







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