生神さまっ!
『1番、"俺"に近い』





夏樹が言ってた言葉の意味は、よく分からない。


けど…
私も、なぜかそう思うんだ。





…夏樹の今浮かべている、ほんのわずかな笑顔が、彼の本当の笑顔だと分かっている時点で、きっと。



私達は、
"似ている"んだ。





赤い虹彩を持つ目が、私の顔にどんどん近付く。
私は、その目に引き込まれるように。

…いや、



その目から彼の考えを読み取るように、じっと見つめていた。




そして、夏樹の息をほおに感じたとき…やっと、私は我に返ったんだ。





「っ、んっ……!?」




噛み付くような、キス。


……どうして、こうなった…!?




手に力を込め、夏樹の胸板を必死に押す。

…びくともしない!



唇に感じる熱から逃れようとするけど、全然ダメ…!





「んーー!!!」




私の必死の、叫び声だった。







「っ、夏樹!!」





私の唇から熱が離れるのと同時に、
夏樹の体は…部屋の反対側に、軽く吹っ飛んだ。






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