生神さまっ!
「知るために、って……」



夏樹が言いかけたその時、




_ゴオオオォォォォオオオ!!




地鳴りのような、低い響きが私たちの耳に届く。
何事…!!?



「くっそ!

…解除!!」



夏樹の言葉で、あれだけ動くことを知らなかった襖がスパァン!と音をたてて横に開く。

廊下に2人で出ると…どこからか、叫び声が聞こえる…!




「行こう!こっちから…

"現人神"の気配がする!」



現人神の、気配…!
もしかして…スサノオ一派!!?


攻めて来た、ってこと!?




「早く!」


手を掴まれ、ほぼ連れてかれるように廊下を走る。
そこですれ違った女の人が慌てて「夏樹様!秋奈様!」と叫んだ。


一度止まった夏樹は「なにが起きた!?」と、叫び声に負けない大きな声で言う。



「スサノオ一派が…!スサノオ一派の、"夏"…!

源義経(みなもとのよしつね)が、魔物を率いて屋敷の前まで攻めてきました!!


今は屋敷の中でも術を扱える者が結界の補助をしています!戦闘部隊も急いで駆けつけるようですが、間に合いません!


春乃様と冬斗様は、前線に向かってます!!」



「分かった!お前も逃げろよ!」



「いいえ、私は少し槍を扱えます…!

微力ながら、魔物との戦いの援助をいたします!」



「ああ…ありがとう!」



「はい、失礼します!」



見た感じ30代前半の女の人は、走って槍をしまってある場所に向かうようだった。



「俺たちも行くぞ!」



「うん!」




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