生神さまっ!
…え?

だって…手から小さい赤い光みたいなのがたっくさんでて…気付けば、目の前の魔物は……




「よく見えなかったんだな、自分の術。

秋奈は俺が見た今までの術の中でも、トップレベルに速い術を出せるらしい」




「速いって、なにが?」



「術の動き。
秋奈の術は、あっという間に敵に到達して傷を付けてる。


気付いた時には、みたいなそんな感じ」



…そんな怖い術を使えるの、私…

でも、意外に術って扱いやすいんだ。あと何回かやれば、慣れそう…



ちょうど、私の方を見ている魔物がいたことにきづく。


その魔物も剣を持って…私に走って向かってくる。




「………消えて」




手から出た、赤の光。
見逃すまい、と目を見開く。


小さな赤い光は何百も手から出ていて…なにかの、形をしている。

その何百もの光が魔物に到達すると…一瞬で、魔物は倒れてしまった。





…さっきよりは分かったけど、まだよく分からない。




今度は戦闘部隊員と戦っている魔物を見る。




また同じように、光を出して…今度は、魔物の体に注目する。
私の光が届いた瞬間…小さな光は、体のたくさんの場所に一度に傷を付けていることが分かった。

つまり、体には何百もの傷がつく。


そのせいか…魔物の体からたくさんの血は出ていないけど、体の所々から少しずつ血が出ている。




次は、ただ走って屋敷の方に向かっている魔物。


その魔物に向かう光を、じっと見つめる。




「…かえで…?」



赤い小さなその光は…

楓の形をしている…




「もっと、知らなきゃ」




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