生神さまっ!
大切な存在……って、





「恋愛感情とか?」



「恋愛感情とか」





座ったまま片足の膝を曲げて上げて、その膝の上に顔を乗せる冬斗。

綺麗な黒い目が、黒い前髪の合間から見えて…なんていうか、色気がある…セクシー?



爽やかなカッコよさみたいなのがある冬斗だけど、
今の姿は男らしくって…なんだか、ドキっとした。





「…で、どうなの」



「あ、ああ…うん。

恋愛感情かぁ…無いんじゃないかな、多分」



「曖昧だね」



「確かにね。でも、分かんないんだもん。

亮太はね、私の幼馴染みたいな感じ。
家も結構近くて、幼稚園から高校まで全部同じ。

中1からはずっと同じクラスだったしね」




違ったのは小4から小6の3年間だけだな。


その3年間も全く交流が無いわけじゃなくて、よく家の近くで会ったときは喋ってたり、学校でも喋ることが普通にあったし。



今考えてみれば、私の思い出には亮太の笑顔がたくさんある。




「好きじゃなかったの?」




まるで、問い詰められるというか…責められているような感じがするんだけど。

でも、なんだか答えなきゃいけない、みたいな…威圧感がすごいですよ、冬斗。



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