生神さまっ!
五、主人公ハ私ジャナイ
*
「………私の罪は、決して許されない。
春乃よりも、夏樹よりも…誰よりも、重い。
目の前で死んでいく家族を見ながら…
私は『良かった』って、そう思ってたの」
真っ黒な感情。
白は、黒に染まった。
「…でも、私は…最後にカッコつけた。
亮太に頼りたくて頼りたくてたまらなかったのに…
……私、自分の罪を少しでも軽くするために、カッコつけたの」
黒の上から、白で塗りたくった。
最初はグレー。
けど、徐々に。
誰にもバレない"白"へと戻った。
「結局私は、ただの大罪人。
安全なココに来れたのは、間違いなく…両親のおかげ。そう知った。
私は2人の命を踏み台にして、この世界にいる」
本当は私なんか、笑ってはいけない生き物なのかもしれない。
ただ、感情のコントロールが効かなかった私が、あの時笑ったことは…本心のあらわれなんだ。
「ごめんなさい……ごめんなさい、って。何度も思い出すたびに謝るの。
けど、
私の脳裏に染み付いたあの映像は、途切れないんだ」
車内のミラーにうつった、
泣きながら笑う私の姿。
私を見ながら死んでいく、両親の姿。
「………何もかも、許されるはずなかった」
私は無言で、帯を緩ませる。
しゅるり、と解けた帯の向こうにある、下着型の白い着物のお腹あたりをめくらせた。
肌色とは明らかに違う、赤に近い茶色の10cmぐらいのヤケド跡が左の腰からお腹にかけてある。
「…これだけが、残った。
たったこれだけ」
「………私の罪は、決して許されない。
春乃よりも、夏樹よりも…誰よりも、重い。
目の前で死んでいく家族を見ながら…
私は『良かった』って、そう思ってたの」
真っ黒な感情。
白は、黒に染まった。
「…でも、私は…最後にカッコつけた。
亮太に頼りたくて頼りたくてたまらなかったのに…
……私、自分の罪を少しでも軽くするために、カッコつけたの」
黒の上から、白で塗りたくった。
最初はグレー。
けど、徐々に。
誰にもバレない"白"へと戻った。
「結局私は、ただの大罪人。
安全なココに来れたのは、間違いなく…両親のおかげ。そう知った。
私は2人の命を踏み台にして、この世界にいる」
本当は私なんか、笑ってはいけない生き物なのかもしれない。
ただ、感情のコントロールが効かなかった私が、あの時笑ったことは…本心のあらわれなんだ。
「ごめんなさい……ごめんなさい、って。何度も思い出すたびに謝るの。
けど、
私の脳裏に染み付いたあの映像は、途切れないんだ」
車内のミラーにうつった、
泣きながら笑う私の姿。
私を見ながら死んでいく、両親の姿。
「………何もかも、許されるはずなかった」
私は無言で、帯を緩ませる。
しゅるり、と解けた帯の向こうにある、下着型の白い着物のお腹あたりをめくらせた。
肌色とは明らかに違う、赤に近い茶色の10cmぐらいのヤケド跡が左の腰からお腹にかけてある。
「…これだけが、残った。
たったこれだけ」