生神さまっ!
こんなのどかな日の昼間から、何を話しているんだか。


けど、冬斗は喋るのをやめなかった。




「それが5、6回続いて、かな。

アマテラス様にこっぴどく注意されて、外出禁止になって。


んでやっと俺、自分がバカなガキだったことに気付いた」



「…そっか」




…なんか、聞きたくない。


冬斗のそんな話、聞きたくない。



「…俺はさ、秋奈の過去を聞いた時。

結構、嫉妬したんだよ」



「え、と…誰にですか」



「決まってるじゃん…その、あいつ…亮太って人」



ふと、顔を上げると…目の前には、冬斗の顔。


なぜか、顔が熱くなる。



冬斗とのキスを…思い出して、しまう。



私はあの子…美久みたいに、ヒロイン気質じゃない。

決して綺麗な体じゃないし、初体験だって甘酸っぱいものじゃない。



キスだって、何度も何度もした。


そのはず、なのに。



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