生神さまっ!
一度、落ち着こう。



自分の部屋に入って、座り込む。




なんで冬斗って…あんなこと、突然したりするんだろう。



心臓が足りない。心拍数が上昇しすぎて苦しい。




「…私、こんなだったっけ…」




いちいち冬斗の言動に慌ててしまう私は、まるで私じゃないみたいだった。


前までの私は、ただの…父にも母にも立ち向かえない、弱い人だった。



弱かったから、他人の言動で感情を大きく左右することなんてなかった。


だって、もしそれでまた裏切られたりしたら…悲しすぎる。




亮太だけは、裏切らない…そんな自信がどこかにあった。


それと同じような確信を…私は今、この天界で出会った人達に対して抱いている。





「……落ち着こう」





ただ、私は。


本当の自分を知ってしまうのが、怖いだけなのかもしれない。




< 451 / 686 >

この作品をシェア

pagetop