生神さまっ!
付き人…

…その言葉から、頭の中に"彼"が浮かぶ。





私の唯一の、今日の計画の…理解者。




時計を見ると、私も約束の時間近付いていた。




…よかったな、春乃にちょうど用事があって。


春乃がいたら、変に言い訳して出て行かなきゃいけないところだった。





立ち上がって、部屋を出る。



そこからしばらく歩いて、まあ1分ほど。


お屋敷はとても広いから、彼の部屋に行くにも1分ちょいかかる。これでも近い方だけどね。




私の部屋のよりもちょっと小さめな襖の前に立ち、「私です」と少し声をひそめて言う。



すぐに中から「どうぞ」という声。



一度さっと辺りを見回すけど、誰もいない。


一応それを確認して、私は襖に手をかける…





「……どうぞ、いらっしゃい」









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