生神さまっ!
私は"彼"に…

…久しぶりに会った、"元彰"に笑いかける。





「久しぶりですね、元彰、さん」




「…僕に対しては未だ敬語なのですか?」




「ただ、あなたには感謝しているから。


…秋を救えたのはあなたのおかげだと、私は勝手に思っています。

それに、あなたは私の理解者ですし」




「…僕の主人にその言葉を言ったら、きっと悲しみますね。

まあ、座ってください、

秋奈様」




私は手で示された座布団に座る。


そして、彼を見た。


亮太と、とても似ている人。

けど、もう恐怖は感じない。





「…本当に、行くのですね」



「まあ。あの人だったら、色々教えてもらえそうですから」



「僕の言った通りに動けば、なんとかなると思います」




綺麗な笑みのまま崩さない彼は、どこか本心が分からないけど。


でも、彼を信頼してはいいと思う。




「…今夜、行こうと思うんだ」



「見つかったら、僕の仕事ですね」



「まあうまくごまかしてくれると」




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