生神さまっ!
ひたすらに、走る。
息が上がっても、少し休んではまた走り出した。


…残念ながら私には、瞬間移動みたいな術は使えない。



使えたとしても今まで1回でも行ったことがあるところじゃないといけないらしいし、無理だっただろう。

使える人なんて逆に少ないし、頼んだら断られるにきまってる。



だからこんな物理的な方法しかないんだよ…




「はぁ…はぁ……

…やっと中心部、抜け、た…」




走って何十分か経った時、賑やかな街を抜けた。

空は闇色で、中心部ももう静まりかけている。



今までのを、もう1回か…

…キツイ、な。


でも、これから戻るなら同じ。それに、戻ったら真実なんて知れない。




「あー…でも疲れたー…」



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