生神さまっ!
「…私達4人の季節の生神の大まかなルーツを、ツクヨミ様は知ってますか」




「…もちろん。当然だよ。

かなり昔だけど、僕もその場にいた」





…ツクヨミ様も、いたんだ。その時は…




「…私達季節の生神4人は、季節の神4人の力を分け与えられた存在として、生まれたそうです。

春乃…春の生神に、ここにきてすぐに言われた話です」




私の言葉を、黙って聞いてくれているツクヨミ様。

私は続ける。





「…けど、天界はスサノオの所為で季節が奪われるという危機に陥った。


その時が来るまで役目のなかった私達ですが、悲しくもその時が来てしまった。

そして…私達は、スサノオが手を出せない人界に、人間として産み落とされました。


つまり、

私達が人界にいる間は…私達は、人間であって、生神ではないのです」





「…そうよ、よく分かったね。

君達は、生神の使命を持った、ただの人間だったわけだ。

…その方が、君達は安全だったからな」




「やはり、そうですか」




予想はしていたけれど、これで私の疑問は確信に定まってきた。


それがどれだけ悲しいことか、わかっている。

でも、わからなきゃいけない。




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