生神さまっ!
アマテラス様はにこりと笑うと、すっと立ち上がった。

「2人の力が逃げる先は…人間界に降りようとしていますね、これは。

今から私の力で、2人がいるところにあなたたちを飛ばします」


「え、そんなことできるのかよ…」

「ふふ。なんでもありなんですよ、神って」


アマテラス様は戸惑う私の手を握り、立つのを促した。
私たちはアマテラス様連れていかれ、広間の中央に立つ。



「…元彰。あれは今、秋奈が持っているのですか」

「いざというとき、必要だと思いまして」

「正しい選択です。
秋奈、元彰からもらったものがあるでしょう。それを出してください」


元彰からもらったもの…
ツクヨミ様のところへ行く時にもらった、謎の小袋!

すぐに着物の内側から出して、アマテラス様に差し出す。

結局使うときはなかったけど、これはなんなのだろう。

アマテラス様はその小袋をぎゅっとつかみ、何かをつぶやき始めた。
鈍く手の間から紫色の光が漏れる。

そしてそれは落ち着き、アマテラス様は再び私に差し出した。


「元彰には実は、冬斗の監視を直々に頼んでいたのですよ」

「え、ええええ!?」

「なにそれスパイみてえな!」


当の元彰は涼しい顔をしているけど、おい!!そうだったんかい!!


「…すいません
。本当はすごい詳しいわけじゃなかったんですけど、なんとなくは知っていたんんですけどですよね」

「まじか…」



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