生神さまっ!
「秋奈たち…なんで、ここが…」
驚きを隠せない、という表情の冬斗。
その隣にいた黒姫様が、ほうっと息を吐いた。
「アマテラスだろうな。
彼奴はその気になれば天界の神全員の居場所が瞬時にわかるという」
黒姫様はこちらに目を向ける。
「…久しぶりだな、秋の。
もう、生神となっていたか」
「…はい」
「なぜ記憶が戻った。私の力はそう簡単に破れるものではないはずだ。
自分のかけた術が解けた合図はしたが、誰が解いたかまではわからん」
これって…言っていいん、だよね。
私は一息つくと、「ツクヨミ様が」といった。
「…ツクヨミ。あいつなら簡単だろうな。
予想外なことが立て続けに起こりすぎた。冬斗、お前にこんな早く選択させることとなって、すまない」
冬斗は、静かに首を振った。
「…悪い、みんな。もう知っていると思うけど、俺は実は存在してはいけないものなんだよ。
冬夜がこうなってしまった諸悪の根源はもう消えた。
…黒姫に言われるがままあの時契約をしていたら、俺は間違いなく冬夜を差し出すことになっていた。それだけは嫌だった。俺が消えるべきなのに。
だから、待ってもらったんだ。あの時冬夜は恐怖から、人格が出ることを無意識に拒否していた。あの状態で俺の人格を差し出したら、冬夜が壊れることは確実だった。
恐怖のもとが消え、時間がたつことで、冬夜が表に出ることに恐怖を感じなくなるのをゆっくり待つ、そして時が来たら、俺をすぐにでも差し出すつもりだった」
驚きを隠せない、という表情の冬斗。
その隣にいた黒姫様が、ほうっと息を吐いた。
「アマテラスだろうな。
彼奴はその気になれば天界の神全員の居場所が瞬時にわかるという」
黒姫様はこちらに目を向ける。
「…久しぶりだな、秋の。
もう、生神となっていたか」
「…はい」
「なぜ記憶が戻った。私の力はそう簡単に破れるものではないはずだ。
自分のかけた術が解けた合図はしたが、誰が解いたかまではわからん」
これって…言っていいん、だよね。
私は一息つくと、「ツクヨミ様が」といった。
「…ツクヨミ。あいつなら簡単だろうな。
予想外なことが立て続けに起こりすぎた。冬斗、お前にこんな早く選択させることとなって、すまない」
冬斗は、静かに首を振った。
「…悪い、みんな。もう知っていると思うけど、俺は実は存在してはいけないものなんだよ。
冬夜がこうなってしまった諸悪の根源はもう消えた。
…黒姫に言われるがままあの時契約をしていたら、俺は間違いなく冬夜を差し出すことになっていた。それだけは嫌だった。俺が消えるべきなのに。
だから、待ってもらったんだ。あの時冬夜は恐怖から、人格が出ることを無意識に拒否していた。あの状態で俺の人格を差し出したら、冬夜が壊れることは確実だった。
恐怖のもとが消え、時間がたつことで、冬夜が表に出ることに恐怖を感じなくなるのをゆっくり待つ、そして時が来たら、俺をすぐにでも差し出すつもりだった」