生神さまっ!
「ご、ごめん!」




急いで手を振り払う…と思うけど、なぜか振り払えない。



え?え、ちょっと、冬斗に…めっちゃ握られてるんですが…?




「えっと、冬斗…?私、もうだいじょ…」



「…やっぱり同じだ」



「…ん?」



やっぱり…同じ?



どうゆうこと?と冬斗に疑問の視線を向ける。



「あ、ごめん…!俺、つい…」



やっと我に返ったのか、突然パッと手を離した冬斗。



手にはまだ、彼の温もりが残っている。



…あれ?



この感覚…どこかで………




「ごめんね秋奈。本当に」



「あ…いやいや、全然大丈夫!

それより…さっきの風は?」



「……まだ止んでない…」



確かに、冬斗につられて透明の壁の向こうを見てみると、まだ本がバッサバサ言って上下左右運動を繰り返してる。



なんでみんな気付かないんだろう…



いや、もしかして、気付かれないように…誰かがしているの?




「…あっれぇ…春のお2人はいないのか?」



「っ、!?」




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