生神さまっ!
「…多分春乃は、夏樹には自室に行くよう見せかけて秋奈の部屋の前にいたんだ。

そして…俺達の話を聞いた」




「そして伝言を聞いて何かに気付いた春乃は…1人で……」




「…ちょ、俺にまず"伝言"を教えてよ!」




…不思議とそんなに焦る様子のない、落ち着いた夏樹が…いつものトーンで言う。



なんで夏樹は……春乃が心配じゃないの?



いや、多分心配しているんだろうけど…なんていうか、



底抜けの明るさは変わっていない…



まるで"悲しさ"とかを知らない、小さな子供みたいなんだ。




「ん?俺の顔になんか付いてる?」



「い、いや!なんでもないッス!」



「…慌ててるからってちょっとおかしくなってるよ秋奈」



冬斗のツッコミではい、ととりあえず落ち着きを取り戻す。



今は…春乃だ。



春乃はあの意味不明な伝言で…どうして…?




「で、なんて伝言なんだよー!」



「あー、ごめん…

『桜がお前を探して高天原に迷い込んだ』…ってヤツ」




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