助けてほしいと願う【短編】
それから10分後携帯が鳴った。
着信画面にはお母さんと
書いてあった。私は着替えながら出た。

「はい」

「なにしてるの?」

「はい、はい。今から行く。」

私は一方的に電話を切って
着替えを終わらせて家を出た。

駐車場に向かう間私は、
ずっとメールを返していた。


私は、いつでも携帯を見ていた。
携帯を放す事は滅多になかった。
いわゆる携帯依存症になっていた。

「歩きながら携帯いじらないの!!」

「う~ん。これだけやから」

この会話が何回も繰り返された。

(私は歩きながらしてもいいやん!!)

などとずっと思っていた。
でも、たまに前を見ていなかったから
人にぶつかったりしていた。

―――――――――――
親うざいねんけど!!
有り得へんわ!!
親とかまぢいらん!!

璃優
―――――――――――

と私は友達にメールで
愚痴を言っていた。

買い物を終わらせて
家に帰ってまた携帯を
触っていた。

「璃優!!手伝って。」

と親に言われた。
でもいつも、いつも

「嫌や!!」か「無理」
と言って手伝おうとしなかった。

ゲーム、メール、電話。
私は携帯がないと生きていけなかった。
今時の子はみんな携帯がないと
生きていけないと私は勝手に思っていた。





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