腹黒司書の甘い誘惑
嬉しくて、焦がれた瞳を柊也さんに向けた。

「柊也さんのこと、たくさん笑顔にしたい。お節介をするかもしれないけれど……そばであなたのことを見ていたい」

わたしの言葉に柊也さんは軽く目を見開いたけれど、すぐにふっと笑った。

「いいよ。俺のそばにいてくれよ」

潤んだ目元を指で気にしながら、わたしは微笑んだ。

けれど、数秒たってからぼうっと柊也さんを見ていた。

車に乗ってからの会話がなんだか信じられない。
夢じゃないはず。でも実感が得られない。

「なんだよ」

急にぼうっとしだしたわたしに、柊也さんは首をかしげる。

「夢だったらどうしよう……」

そんなことを呟やくと、柊也さんは口許を緩めながら顔を近づけてきた。

「マヌケな君に夢じゃないってしっかり証明しようか」

「なっ……マヌケとか言わないでくださ」

言葉が途切れた理由は、柊也さんがわたしの唇にキスをしたから。

すぐに後頭部を手で支えられて、口内に深く舌が入り込んでくる。
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