腹黒司書の甘い誘惑
5.イジワルと好き
***
夢のように感じたけれど、柊也さんとキスをした感覚をしっかりと思い出せる。
スマートフォンを見ると、柊也さんの連絡先がちゃんと登録されていた。
土曜日は友達と買い物をしたりご飯を食べに行ったりして、お互いの近状報告で盛り上がったり。
浮かれ気分で日曜日には久しぶりに実家に行った。
この前、わたしが電話で元気のない声だったということを気にしていた母は、わたしの顔を見てほっとしていた。
母はいつもわたしのことをよく心配する。
わたしが何をやっても駄目だから常に心配するんだと、そう思うと嫌な気持ちになったりしたけれど……。
ほったらかされて何も言われないよりはいいのかもしれない。
先週とは違って余裕がある今は、気持ちが穏やかだった。
わたしはこの日、母にはっきりと言った。
「もうわたしも子供じゃないんだから、そこまで心配しなくても大丈夫だし、お兄ちゃんといちいち比べるのやめてよね」
そういえば、今までこういうことを母に言ったことがなかった。
夢のように感じたけれど、柊也さんとキスをした感覚をしっかりと思い出せる。
スマートフォンを見ると、柊也さんの連絡先がちゃんと登録されていた。
土曜日は友達と買い物をしたりご飯を食べに行ったりして、お互いの近状報告で盛り上がったり。
浮かれ気分で日曜日には久しぶりに実家に行った。
この前、わたしが電話で元気のない声だったということを気にしていた母は、わたしの顔を見てほっとしていた。
母はいつもわたしのことをよく心配する。
わたしが何をやっても駄目だから常に心配するんだと、そう思うと嫌な気持ちになったりしたけれど……。
ほったらかされて何も言われないよりはいいのかもしれない。
先週とは違って余裕がある今は、気持ちが穏やかだった。
わたしはこの日、母にはっきりと言った。
「もうわたしも子供じゃないんだから、そこまで心配しなくても大丈夫だし、お兄ちゃんといちいち比べるのやめてよね」
そういえば、今までこういうことを母に言ったことがなかった。