腹黒司書の甘い誘惑
柊也さんの部屋でまったりできるのだろうか。

絶対無理だ。
この異常な鼓動の速さにわたしはそわそわしていた。

勢いで柊也さんの部屋を選んでしまったけれど、彼の部屋に入るということにも緊張する……。


激しい鼓動を響かせて色んなことを考えていた。

その間に車は進んでいき、20分ほど走って駐車場へ停まった。
学園から近い街の中心部で、車を降りて入っていったオートロックの中層マンションは建って間もないのか綺麗だ。

エントランスからエレベーターに乗り、八階の一番端の部屋までやってきた。

車からここまでおとなしく付いてきたわたしは、とてもドキドキしている。

「どうぞ」

「お、お邪魔します」

鍵を開けてドアを引いた柊也さんは中へ入るようわたしを促したので、脈を速くさせながらぺこぺこして部屋へと上がった。

室内は綺麗ですっきりとしていた。

黒いカーペットとソファにガラステーブル。
テレビと、それから端に観葉植物がある。

キッチンの方にはダイニングテーブルがあるけれど、テーブルの上には何も置かれていない。

ごちゃごちゃしていないから、空間がとても広く感じた。
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