腹黒司書の甘い誘惑
6.想い合い、伝え合う
***


季節は移り変わる。

春に柊也さんと出会って恋人になって、それからお付き合いを続けて夏を過ごし、秋がはじまろうとしている。

とはいってもまだ九月の半ば。
残暑にバテそうになるものの、大切な恋人とはつらつとした事務室メンバーのおかげで苦はない。


この数ヵ月間、柊也さんと付き合っていて彼と時間を過ごすうちに、自分から上手に予定を作れるようになった。

最初の頃はかなりもじもじしていたけど。
今では柊也さんと食事をするときなど、行きたい場所をはりきってリクエストできている。

柊也さんと過ごす時間は何でもドキドキして楽しい。

食事のときも、部屋でのんびりするときも、買い物や映画を見に行っても、好きな人と一緒だと全部が特別な時間になる。


お昼休みに軽い足取りで向かうのは、柊也さんがいる図書館。

今日は保育園に紙芝居を見せに行く金曜日だ。

昼食を済ませて、残りのお昼休みは柊也さんと今日の夜について話をしようと思ったから、弾んだ気持ちで館内へと入った。
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