腹黒司書の甘い誘惑
「兄さんに花を渡すっていうだけでぐずぐずしてる。俺が臆病な人間だってわかって、君は幻滅してる?」
「いいえ。そういう柊也さんは、支えてあげたいって思ってますから」
「……あっそ。なかなか心強いよ」
柊也さんはわずかに口許を緩め、わたしの頭を撫でてから歩きだした。
わたしはゆっくりと足を進めてそばで立ち止まり、柊也さんの姿を見守っていた。
花壇の近くまで来た柊也さんに、理事長が気づいて驚いた顔をする。
「……柊也?」
「花壇、綺麗に世話されてるんだな。今までちゃんと見たことなかったけど」
柊也さんは視線を花壇に向けながら、ツンとした口調。
見守るわたしはハラハラしていた。
理事長は柊也さんを見ていたけど、すっと視線をわたしの方へ向ける。
目があって背筋が伸びたわたしは、慌ててお辞儀をした。
すると、ふっと笑顔になった理事長は花壇へ顔を向ける。
「花が好きなんだよ。なんとなく、和むだろう?」
「うん、まあ、和むかもな」
理事長はじっと花壇を見ている柊也さんの横顔に微笑んだ。
「いいえ。そういう柊也さんは、支えてあげたいって思ってますから」
「……あっそ。なかなか心強いよ」
柊也さんはわずかに口許を緩め、わたしの頭を撫でてから歩きだした。
わたしはゆっくりと足を進めてそばで立ち止まり、柊也さんの姿を見守っていた。
花壇の近くまで来た柊也さんに、理事長が気づいて驚いた顔をする。
「……柊也?」
「花壇、綺麗に世話されてるんだな。今までちゃんと見たことなかったけど」
柊也さんは視線を花壇に向けながら、ツンとした口調。
見守るわたしはハラハラしていた。
理事長は柊也さんを見ていたけど、すっと視線をわたしの方へ向ける。
目があって背筋が伸びたわたしは、慌ててお辞儀をした。
すると、ふっと笑顔になった理事長は花壇へ顔を向ける。
「花が好きなんだよ。なんとなく、和むだろう?」
「うん、まあ、和むかもな」
理事長はじっと花壇を見ている柊也さんの横顔に微笑んだ。