腹黒司書の甘い誘惑
そう改めて思ったらもっと頬が熱くなってきてしまった。

そして視界に入る豊子さんと美鈴さんの笑顔。

気恥ずかしくてもみもみ、手で頬を触っていると、外から窓口をトントンと誰かが叩いた。

顔を上げて見て、どきんと胸が鳴る。

「理乃ちゃん、いってらっしゃい」

そう言ってムフフと笑った美鈴さん。
わたしは慌てて事務室から出て、窓口の方へまわった。

「おはよう、理乃」

そこにはスーツ姿の……柊也さん。

毎日見ている姿なのに、未だにドキドキしてしまう。
スタイルが良く品のある柊也さんがスーツを着たら最強だ。

わたしは頬を赤くしながらじっと柊也さんを見つめた。


彼は図書館の司書という立場から教師になったのだけど。

勤めているのはここ、滝城学園なのである。

もうね……わたしはこれで柊也さんと一日口をきかなかったときがあった。

“もし採用してくれる学校が遠くだったらどうする?”

不安になって色々考えたりしたのに、彼はこの学校で働いてる。
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