腹黒司書の甘い誘惑
「二人ともさ、時と場所を考えろよなぁ」
からかうように言う笹本先生に何も言い返せないので俯くしかない。
笹本先生は笑っていた。
「柊也、職員会議遅れるなよ。新任なんだから、な?」
「……何かイラっとするから、今までお前が図書館で“休憩”していたことを今日の会議でぽろっと言ってみようか」
「待っ……待った、それはやめておいたほうがいいと思う!」
慌てる笹本先生に対し、柊也さんは意地悪な顔。
「このタイプは職場で絶対に敵にまわしたらダメなやつだよな。じゃあね、倉橋さん」
笹本先生はわたしに耳打ちすると、ささっと歩きだして行ってしまった。
その姿を笑って見ていたら「理乃」と名前を呼ばれたので振り返る。
瞬間、ふわりと頬に柔らかくキスをされた。
「仕事終わりに会おう」
キスをされたところを押さえながらぼうっと柊也さんを見ていたら、微笑まれた。
「返事は」
「えっ、うん、はい!」
慌てて応えたわたしの頭を最後にぽん、と撫でたあと、歩きだした柊也さん。
胸を鳴らしながらそれを目で追い見つめて、わたしにとって彼は本当に特別な人だと改めて思った。
からかうように言う笹本先生に何も言い返せないので俯くしかない。
笹本先生は笑っていた。
「柊也、職員会議遅れるなよ。新任なんだから、な?」
「……何かイラっとするから、今までお前が図書館で“休憩”していたことを今日の会議でぽろっと言ってみようか」
「待っ……待った、それはやめておいたほうがいいと思う!」
慌てる笹本先生に対し、柊也さんは意地悪な顔。
「このタイプは職場で絶対に敵にまわしたらダメなやつだよな。じゃあね、倉橋さん」
笹本先生はわたしに耳打ちすると、ささっと歩きだして行ってしまった。
その姿を笑って見ていたら「理乃」と名前を呼ばれたので振り返る。
瞬間、ふわりと頬に柔らかくキスをされた。
「仕事終わりに会おう」
キスをされたところを押さえながらぼうっと柊也さんを見ていたら、微笑まれた。
「返事は」
「えっ、うん、はい!」
慌てて応えたわたしの頭を最後にぽん、と撫でたあと、歩きだした柊也さん。
胸を鳴らしながらそれを目で追い見つめて、わたしにとって彼は本当に特別な人だと改めて思った。