腹黒司書の甘い誘惑
理乃を腕の中に収めた俺は、満足して一度ほっとしたけれど、今度は触れたくなってしまって、彼女の腰をさらに引き寄せる。

「しゅ、柊也さんっ……」

もぞもぞと慌てながらも、抵抗はしない理乃の顔を覗くように見て、唇の端を上げた。

「プレゼントのお礼を今すぐするよ」

「い、いいよ、誕生日プレゼントですから! わたしだって5月の誕生日に豪華なディナーに連れてってもらって、色々してもらったし」

「理乃」

「……はい」

俺の声に素直に応えた理乃は、赤い顔を上げた。
そして薄っすらと唇を開くのだから、従順で可愛らしい。

焦らすように優しく唇を合わせて見ていたら、理乃がぐっと深いキスをしてきた。

「柊也さん、好き……お誕生日、本当におめでとう……」

熱っぽい瞳で俺を見つめながらそう言った理乃に、色々と限界になる。

「まったく……君は俺にとって特別で大切な存在だよ。……ありがとう」

そっと理乃を抱いて耳元で囁いた俺は、この欲はもう抑えられないなと思った。

ずっと俺のそばにいてほしい。
欲しくてもう我慢できそうにない。


――次は俺が理乃に贈り物をするよ。想いを込めて。


【番外編 END】
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