腹黒司書の甘い誘惑
「別の予定が入ったの?」
『まあ……』
「どうして……わたしは随分前から一緒に過ごしたいって言ってたのに」
わたしは眉根を寄せていた。
ふざけてウソを言っているなら、早くそうだと言って欲しい。
だけど柊也さんはウソだとは言わなかった。
『……25日じゃ駄目か?』
予定を変えようとしてくる。
わたしは答えず黙っていた。
24日に予約してしまったケーキはどうするの?
「もう、なんで前日に言うんですか」
『悪いな、急で』
「……25日は午前中から会える?」
『いや、夜から……』
それではケーキを無駄にしてしまう。
わたしは大きく溜め息を吐いた。
いっきに悲しさがこみ上げてくる。
ここ数日、柊也さんは生徒の成績を出したりで忙しく、わたしも学期末にまとめる書類が多くて会えなかったのに。
事務室に顔を見に来てくれても、柊也さんはぼうっとしているし。
不安な想いとか、会いたい気持ちとか、前日に言わないでよという怒りが混ざった。
「もういいよ。忙しいだろうし、25日も会わない」
『待った。25日は――』
「いい。会わなくていい!」
そう言ってわたしは電話を切ってしまった。
『まあ……』
「どうして……わたしは随分前から一緒に過ごしたいって言ってたのに」
わたしは眉根を寄せていた。
ふざけてウソを言っているなら、早くそうだと言って欲しい。
だけど柊也さんはウソだとは言わなかった。
『……25日じゃ駄目か?』
予定を変えようとしてくる。
わたしは答えず黙っていた。
24日に予約してしまったケーキはどうするの?
「もう、なんで前日に言うんですか」
『悪いな、急で』
「……25日は午前中から会える?」
『いや、夜から……』
それではケーキを無駄にしてしまう。
わたしは大きく溜め息を吐いた。
いっきに悲しさがこみ上げてくる。
ここ数日、柊也さんは生徒の成績を出したりで忙しく、わたしも学期末にまとめる書類が多くて会えなかったのに。
事務室に顔を見に来てくれても、柊也さんはぼうっとしているし。
不安な想いとか、会いたい気持ちとか、前日に言わないでよという怒りが混ざった。
「もういいよ。忙しいだろうし、25日も会わない」
『待った。25日は――』
「いい。会わなくていい!」
そう言ってわたしは電話を切ってしまった。