腹黒司書の甘い誘惑
「倉橋です。来ました」
そう声を出すと、カウンターに座っている柊也さんが立ち上がった。
相変わらずすっきりとした身だしなみで、本性を知らなければわたしは間違いなく今でも彼のことを……いや、そういうことを考えるのはやめよう。
「しっかり働いてくれよ」
そばに寄ってきた柊也さんは、意地悪に笑う。
わたしが彼を手伝ってあげるのだから、そういう言い方はないと思うのだけど。
「本の整理って、どういうのなんですか」
感じ悪いな、と見つめてからわたしはそう訊いた。
「とりあえず、新刊を置くためにカウンターのそばの本棚にある本を全部このケースに入れて」
そう言って柊也さんは、本棚の近くにある大きなプラスチックケースを指さした。
さっさと終わらせて帰ろう。
わたしは棚に向かい、腕まくりをして本を片付けはじめた。
歴史小説、ミステリー、ファンタジーなど幅広く並んでいる。
本屋さんで見かけたことのある作品があったり、読んだことのある本もあったから、心の中で「これ知ってる!」と気分が上がっていた。
そう声を出すと、カウンターに座っている柊也さんが立ち上がった。
相変わらずすっきりとした身だしなみで、本性を知らなければわたしは間違いなく今でも彼のことを……いや、そういうことを考えるのはやめよう。
「しっかり働いてくれよ」
そばに寄ってきた柊也さんは、意地悪に笑う。
わたしが彼を手伝ってあげるのだから、そういう言い方はないと思うのだけど。
「本の整理って、どういうのなんですか」
感じ悪いな、と見つめてからわたしはそう訊いた。
「とりあえず、新刊を置くためにカウンターのそばの本棚にある本を全部このケースに入れて」
そう言って柊也さんは、本棚の近くにある大きなプラスチックケースを指さした。
さっさと終わらせて帰ろう。
わたしは棚に向かい、腕まくりをして本を片付けはじめた。
歴史小説、ミステリー、ファンタジーなど幅広く並んでいる。
本屋さんで見かけたことのある作品があったり、読んだことのある本もあったから、心の中で「これ知ってる!」と気分が上がっていた。