腹黒司書の甘い誘惑
校舎の中へ進み、職員専用の出入り口から外へ出て裏へまわると、ちょうど回収車がきていて「これもお願いします!」と声をかけてごみ袋を渡した。
役目を終えてふう、と一息吐いたとき、気持ちの良い暖かな風がちょうど吹いてきたので、心地よく空気を吸い込んだ。
穏やかで気持ち良く、ついでにうんと伸びもして校舎の中へ戻る。
掃除も終わったし、ごみも出したし、図書館へ戻ったらきっと柊也さんは「今日は終わり。ご苦労様」と、淡々と言いそう。
彼の言動を想像して呆れながらも、そこまで嫌な気分でもないのだからおかしな感じ。
そんなことを考えながら廊下を進んで昇降口のそばを通るとき、前方から理事長が歩いてきているのに気づいたわたしは背筋を伸ばした。
今日はやたらと体に力が入る。たぶん、柊也さんのお兄さんということを意識しているから。
「こんにちは……!」
「あ、ちょっと」
固い挨拶をしてすれ違おうとしたとき、理事長がわたしを呼び止めた。
役目を終えてふう、と一息吐いたとき、気持ちの良い暖かな風がちょうど吹いてきたので、心地よく空気を吸い込んだ。
穏やかで気持ち良く、ついでにうんと伸びもして校舎の中へ戻る。
掃除も終わったし、ごみも出したし、図書館へ戻ったらきっと柊也さんは「今日は終わり。ご苦労様」と、淡々と言いそう。
彼の言動を想像して呆れながらも、そこまで嫌な気分でもないのだからおかしな感じ。
そんなことを考えながら廊下を進んで昇降口のそばを通るとき、前方から理事長が歩いてきているのに気づいたわたしは背筋を伸ばした。
今日はやたらと体に力が入る。たぶん、柊也さんのお兄さんということを意識しているから。
「こんにちは……!」
「あ、ちょっと」
固い挨拶をしてすれ違おうとしたとき、理事長がわたしを呼び止めた。