腹黒司書の甘い誘惑
「あっ、滝城さん」
声をかけてきた女性に柊也さんは穏やかな声を出す。
「こんにちは。遅れてすみません」
「大丈夫ですよ。……と、言いたいところですけど、子供たちはもう待ちきれなくて中央に集まっています」
そう言って柊也さんに微笑んだ女性の視線がわたしへ向いた。
気づいた柊也さんがわたしに振り向き、紹介する。
「彼女は滝城学園の事務員なんです。今日はアシスタントで」
アシスタント……? と、なったけれど、わたしがこの場にいる理由を柊也さんが上手く作ってくれたのだと察して、紙芝居のケースを強く抱きしめながら女性に頭を下げた。
「あ、あのっ、倉橋です! よろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくお願いします。川谷です」
川谷さんはやわらかく微笑み、軽くお辞儀をしてくれた。
すると、保育室のほうからバタバタと足音が聞こえて、次の瞬間、ドアが開いて園児たちが飛び出してきた。
「ああっ、紙芝居のおにいさん遅いよー!」
「ごめんごめん」
柊也さんは数人の園児たちにいっきに囲まれる。
声をかけてきた女性に柊也さんは穏やかな声を出す。
「こんにちは。遅れてすみません」
「大丈夫ですよ。……と、言いたいところですけど、子供たちはもう待ちきれなくて中央に集まっています」
そう言って柊也さんに微笑んだ女性の視線がわたしへ向いた。
気づいた柊也さんがわたしに振り向き、紹介する。
「彼女は滝城学園の事務員なんです。今日はアシスタントで」
アシスタント……? と、なったけれど、わたしがこの場にいる理由を柊也さんが上手く作ってくれたのだと察して、紙芝居のケースを強く抱きしめながら女性に頭を下げた。
「あ、あのっ、倉橋です! よろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくお願いします。川谷です」
川谷さんはやわらかく微笑み、軽くお辞儀をしてくれた。
すると、保育室のほうからバタバタと足音が聞こえて、次の瞬間、ドアが開いて園児たちが飛び出してきた。
「ああっ、紙芝居のおにいさん遅いよー!」
「ごめんごめん」
柊也さんは数人の園児たちにいっきに囲まれる。