腹黒司書の甘い誘惑
保育室の中にはまだ七、八人の園児たちがいて、こちらを覗くようにしながら「来た!? 来た!?」という声を出している。
園児たちに手を引かれ、柊也さんは保育室へ入っていく。
その表情はとてもにこやかな感じ。
わたしはそのあとをくっついていった。
あの柊也さんが子供たちに囲まれて、「おにいさん!」と呼ばれているなんてちょっと信じられない。
しかも子供たちに凄く優しい表情で接している。
その姿に胸がほわっと温かくなった。本性からは想像がつかないから余計。
なに、このギャップは。
「今日はなんのおはなし読んでくれるのー?」
「なんだろうね?」
「はやくーはやくー」
「はい、待ってね」
子供たちを笑顔で宥める柊也さんを数歩離れたところで見ていると、彼の視線がわたしに向いた。
その顔は「なにぼうっと突っ立ってんの?」と言いたげなもの。
園児たちからは見えない角度であからさまに態度が違う! と、唖然としそうなところで、自分が紙芝居の絵を持っていたんだと気づき、慌てて柊也さんに渡した。
園児たちに手を引かれ、柊也さんは保育室へ入っていく。
その表情はとてもにこやかな感じ。
わたしはそのあとをくっついていった。
あの柊也さんが子供たちに囲まれて、「おにいさん!」と呼ばれているなんてちょっと信じられない。
しかも子供たちに凄く優しい表情で接している。
その姿に胸がほわっと温かくなった。本性からは想像がつかないから余計。
なに、このギャップは。
「今日はなんのおはなし読んでくれるのー?」
「なんだろうね?」
「はやくーはやくー」
「はい、待ってね」
子供たちを笑顔で宥める柊也さんを数歩離れたところで見ていると、彼の視線がわたしに向いた。
その顔は「なにぼうっと突っ立ってんの?」と言いたげなもの。
園児たちからは見えない角度であからさまに態度が違う! と、唖然としそうなところで、自分が紙芝居の絵を持っていたんだと気づき、慌てて柊也さんに渡した。