腹黒司書の甘い誘惑
3.近づいて離れていく
***
週が明けるとまた図書館への手伝いをさせられ、夕方の数時間を柊也さんと過ごした。
紙芝居をしていたときの彼とは本当に大違いで、相変わらず嫌味な人。
それでもわたしは柊也さんから言われた仕事を手伝っている。
心の底から嫌だとは思わないから……。
メインは掃除と本の点検。
人の出入りがあまりなくても、埃はたまるみたい。
「奥の本棚、本を全部出して拭いておいて」
「わかりました」
カウンターの前で柊也さんから新品の雑巾とバケツを渡されて、わたしは素直に受けとった。
「あんまり扱き使ったら可哀想だよー?」
読書用のテーブル席から小さな笑い声を絡ませてそう言ったのは笹本先生。
安定のサボり……休憩で、今日はこの時間に図書館に来ていた。
「仕事を手伝ってもらってるだけだけど」
柊也さんは淡々とそう言ってカウンター内へ入る。
「でもさ、倉橋さんだいぶここに通ってるよね?」
「あ、はい……」
笹本先生がにやりとしながらわたしを見たので、どういう反応をすればいいのか迷ったわたしは、とりあえず頷いておいた。
週が明けるとまた図書館への手伝いをさせられ、夕方の数時間を柊也さんと過ごした。
紙芝居をしていたときの彼とは本当に大違いで、相変わらず嫌味な人。
それでもわたしは柊也さんから言われた仕事を手伝っている。
心の底から嫌だとは思わないから……。
メインは掃除と本の点検。
人の出入りがあまりなくても、埃はたまるみたい。
「奥の本棚、本を全部出して拭いておいて」
「わかりました」
カウンターの前で柊也さんから新品の雑巾とバケツを渡されて、わたしは素直に受けとった。
「あんまり扱き使ったら可哀想だよー?」
読書用のテーブル席から小さな笑い声を絡ませてそう言ったのは笹本先生。
安定のサボり……休憩で、今日はこの時間に図書館に来ていた。
「仕事を手伝ってもらってるだけだけど」
柊也さんは淡々とそう言ってカウンター内へ入る。
「でもさ、倉橋さんだいぶここに通ってるよね?」
「あ、はい……」
笹本先生がにやりとしながらわたしを見たので、どういう反応をすればいいのか迷ったわたしは、とりあえず頷いておいた。