目があうたんび
聞かなかったら、一生聞けないよね!

頑張れ!あたし。




「しゅ、俊さん!!!」


うわ、最悪!声が裏がえった…


「ん?どうしたの?」


「彼女とかっていますか?」


「………」


やばい。空気ぶち壊しちゃった。さすがの君も怒ったかなって焦ったんだよ。


「……………………」


「……………………」



「ぶはははは…やばい!お腹痛いはははは…し、死ぬぅ」


お腹を押さえてゲラゲラと爆笑する君。




アレ?
さっきと、雰囲気違うような?




「君って俺のこと好きなの?」


「え?」


「さっきからずっと笑いこらえてたんだけど…ちょっと、話しただけで顔赤くなるし。ハグはやり過ぎたかな?惚れた?こんな質問までするとはね〜」


え?誰この人?笑いこらえてたってあたし馬鹿にされてんじゃん!


手を挙げた瞬間、パッと止められた。


「女ってすぐ感情的になるよね。今のビンタしようとしたでしょ〜ありきたりすぎて超ウケるんですけど」


「…さい」


「え?何?」


「うるさいんだよ!!なんで、人の気持ち馬鹿にすんの?あたしはあんたみたいに腐った人間じゃない!」


「へぇ、好きっていうの認めるんだ。」

馬鹿にされてるっ!!

「あ!今、見返してやろうって思ったでしょ?なら、来年、俺の高校入れよ。少しは見直してあげるけどね〜。なこちゃん」


「わかった!絶対、受かるから!それで、あんたに惚れてもらうんだから!!」


「へぇ〜出来るもんならやってみなよ。絶対、落ちないけど。まぁ、勉強も恋も頑張れ〜ファイト!」


「じゃあね〜」




何てやつだ!こんな人とは思わなかった。全部、作り物だったの?あの笑顔もあの優しさも…


悲しくなんかない。むしろ、宣戦布告したんだから!清々しい気分だった。

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