友情or恋心


今、目の前に広がっている光景。


………一体、どう解釈すればいいのだろうか。



西ヶ丘ハイツの中にある小さな公園の前で抱き合っている男女。



「え、あれって………」



そう。その抱き合っている男女とはとっくの前に帰っているはずの、真生と総兄だった。



しかも真生は総兄の腕のなかで泣いているようだった。


私たちとさほど距離はないのに声が聞こえないということは、声を押し殺しているのだろう。


どーいうこと?

何があって……………、あ……………!


───…………まさか!!!!



「チッ……俺、この辺見てくる!!」



同じことを思ったのだろう。
保が勢いよく走って行った。


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