友情or恋心


「ちょっ、保………!!」



そう私が叫んだときにはもうすでに西ヶ丘ハイツを出ていっていた。


その声が聞こえたのか、ふいに総兄と目が合った。



「茜……………」



それから総兄は真生に何かを言い、二人は真生の家の部屋へと向かった。


私はどうしたらいいかわからず、立ち尽くす。


しばらくそこに突っ立ったままでいると誰かが走ってくる音が聞こえた。



「………ハァッハァ。ここら辺にはもういなかった」



「保…………」



保が戻ってきた。



「茜?? まだいたのか。あれ、姉ちゃんと総兄は…‥」



「真生は俺が送ったよ」

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