あるワケないじゃん、そんな恋。
「う〜〜〜〜ん…」


頭いった〜い。

グラグラするぅ〜〜。



「んっ?…」


あれぇ……ここって………




(事務所……?)



そうだ、パート先の事務所だ。

コポコポ…言ってんの、店長が飼ってるグッピーの水槽の音だし。

見覚えのある天井もココアの香りも嗅いだことあるのと同じ。



誰が連れて来たんだろう?
ひょっとして羽田が………?



「あたたた…」


頭痛い。
全然良くならないや。


「ん…⁉︎ 」


ペットボトルの水……?
誰が置いてったの……?


「…って言うか、羽田しかいないじゃん…」


こんなことすんのあいつだけだよ。
だって、このいろはすの味、私がハマったピーチ味だもん。

これ知ってるの羽田だけだよ。
いつも一緒に飲んだ帰り、これ買ってるの見てたから。


「参るなぁ〜〜こんなの……困るよ…こんなことされると……」


芹那ちゃんの応援するって決めたのに、どんどん好きになっちゃうじゃん。

ホントはさっさと諦めて、応援団長に徹する気でいたのに。


あの子が受験で休んでる間に距離縮めたくなってくる。

これ幸い…って、気になる。


そんなことしたくないのに、気持ち止められない……。

羽田に自分のこと、アピールしたくなる。




「……でも、止めないと……」


羽田のこと好きじゃないって言ったから、芹那ちゃんもきっとそのつもりでいる。

第一、昨日までは私もまるで自覚してなかったし。

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