あるワケないじゃん、そんな恋。
頭の中『?』マークだらけな顔しやがって。

お前ってヤツは肝心な時はいつでもそうだよ。

あの観覧車の時もさっきも、いいトコでぶち壊してばっかいる。



「…だろうよなぁ………そうじゃねーかと思った………」


あんな気ー失う寸前で言った言葉なんて、こいつにとってはうわ言でしかねーんだ。

覚えてるワケねーよな。



「な…何よぉ。その落胆ぶりぃ……」


納得いかねー顔すんな。
納得できねーのはこっちだ。



「俺……お前とは暫く口ききたくねぇ…」


このセリフ、お前の常得意だけどな。


「はぁ⁉︎ な……」


なんで…なんて言えねーよな。

お前から先に言ったんだもんな。このセリフ。



「やってらんね。お前、ガキ過ぎて…」


恋愛経験ゼロも甚だしいよ。

人の気持ち知らねぇからって、上げたり下げたりすんな!


「…そのミニタオル、お前のブーツと物々交換な。暫く話しかけてくんなよ!恋愛処女!」



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