あるワケないじゃん、そんな恋。
「キュゥゥゥゥゥン……」


「あ……ごめんね、ペソ……」


ポォン…とボール投げて遊んでやってる最中だった。
朝にした約束を催促されて、仕方なく始めたところ。

でも………



「キャン!キャン!」


「あ……ごめんね、ペソ……」


さっきからこの繰り返し。
ちっとも気が乗らないんだ。私が。



「キュゥゥゥゥゥン……」


「ごめんね……ペソ……今日はちょっと勘弁して……」


ベッドに凭れる。
二日酔いは治ったけど、羽田のご機嫌は斜めのまま。


あれからずーーっと無視された。

正確に言うなら、知らん顔されてる。

これまでは事ある毎に向こうから話しかけてきたのに、今日は一切ナシ。


私が覚えてないってだけであの態度。

気に入らないったらありゃしない。



「……無視って堪えるなぁ……」


シカトなんて中学生以来だよ。

大人になってもやる人いるんだねぇ。

つーか、羽田だけ…だけど。



「ホントにもう……私が何言ったって言うのぉぉ…」


あんな投げかけ方すんのやめて。

具合悪かったんだから覚えてないって。


立ち眩んで頭が回転して、この感覚どこかでしたなぁ〜〜くらいのもんよ。


その後のことなんて知らないよ。

そこで怒られても困るし。



「あ〜〜もうっ!イライラするぅぅぅ!!」


「キャン!キャン!」



あ……ペソも⁉︎

ってか、相手しないんだから当然だよね。

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