あるワケないじゃん、そんな恋。
どうすればいいのよぉ
真っ暗な心のまま一週間が過ぎた。

羽田は相変わらず私を無視し続けてる。

微妙な雰囲気を察して、店長初めとする店員の気遣いモードが始まった。



「菅野ちゃん、これ食べて元気出して」

「コーヒー奢ります!菅野先輩!」

「ココアいつでも飲んでいいからね、菅野ちゃん」


不気味なまでの優しさに包まれる。



「……はい……どうもありがとう……」


心のこもらない返事して笑うと、皆が不憫そうに目を潤ませて……。



「失恋してもこの店やめないでよ」

「また新しい恋しよう!」

「先輩!未来は明るいっす!」


励ましのつもり…?


まだ終わってもないし、始まってもないよぉぉぉ⁉︎



呆れる店員達に溜息を吐きながら羽田を見る。

私が気遣われてる理由は、あんたにあるんだけどなぁ〜〜って言ってやりたい。


このまま無視し続けるつもり⁉︎

私が店辞めるまで⁉︎

それとも、誰かと付き合いだすまで⁉︎




(…つまんない…)


こんな楽しくない職場だったかなぁ。
前はもうちょい楽しかった筈なのに。




「洋ちゃん!」


とびきり元気よく走りこんできたのは芹那ちゃん。
この最近、こうして時々店に来る。



「芹那……また来たのかよ…」


仕方ねぇな…って言いながらも相手してる。
まるで、ペソの相手する時の私みたい。



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