あるワケないじゃん、そんな恋。
「うん……似合う……」


俺のマジメなコメントに赤くなるくらいなら最初から聞くなよ。
長いのも好きだったけど、今の感じもいい!
菅野が女に見える!

やべぇわ。これ。


「…とにかく行こうか。今日は車で来たし…」

「えっ⁉︎ 車⁉︎ …羽田、車持ってたの⁉︎ 」

「持ってるよ。無いと不便だろ、いろいろ」

「そ…そう……」


想定外って顔するなよ。
お前も俺も、寒いの苦手だから車で来たんだろーが。


「早く乗れよ。あれだから」

「あれ…?」


俺の愛車は黒のワンボックスカー。
ほぼ俺しか乗らねーから無駄に広いけど。


「羽田って贅沢〜〜!普通車なんかに乗って!」

「お前に言われたかねーよ!これは俺の趣味みたいなもんなの!」

「車が趣味なの?」

「いんや、ドライブ!」

「へぇ〜〜意外!」


飲んだ帰りにゲーセン寄る俺しか見たことねーからオタクだと思ってたんだろー。

お生憎様、こう見えて割りとフツーなんだよ、俺は。



「ほらっ、乗れよ」


初乗りだからドア開けてやるよ。
イブのやり直しだからな。


「あ……ありがと……」


今日は素直じゃん。珍しー。



「よしっ!じゃあ行くか!」

「どこへ?」

「決まってるだろ!観覧車乗りに!」

「えっ!またぁ〜〜!?」

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